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風~循環と錯覚の力が生み出す「追い風」~(その7) - 2011.08.02 Tue


(つづき…)

以上のことを地球規模で考えてみましょう。

とりあえずは日本のある北半球に限ってお話をします。

(南半球は赤道をはさんで対称になります。)

下の図をご覧ください。


ちょっとこの先はややこしくなってしまいますので

太字のところだけ拾いながら軽く読み流していただいても結構です。

(最後に結論をまとめます。)


最初に赤道付近を見ていきます。

赤道付近では大気が暖められているので、

上昇気流が発生して低気圧になります。

上昇した大気は北極方向に移動しながら次第に冷やされて重くなり、

北緯30°付近で下降しはじめます。

下降した大気は低気圧である赤道方向(南向き)に移動して戻ります。

このように赤道と北緯30°付近の間で大気は循環しています。

これを発見者の名前を取ってハドレー循環といいます


次に北極付近についても見てみましょう。

北極付近の大気はとても冷たいので下降気流が発生して高気圧になります。

下降した大気は赤道方向(南向き)に移動しながら次第に暖められて軽くなり

北緯60°付近で上昇しはじめます。

上昇した空気は北極方向に移動して戻ります。

このように北極と北緯60°付近の間でも大気は循環しています。

この循環はひねりのない名前ですが極循環といいます。



最後に私たちの日本がある中緯度付近はどうなっているかも見ておきます。

日本がある北緯30°と北緯60°の間の大気は

ハドレー循環極循環にはさまれて不安的な状況にありますが、

2つの循環に引っ張られるようにしてここでも

二次的に循環が生じています。

この循環はフェレル循環と呼ばれています。

これにより地表付近の大気は北向きに移動しています。


…以上まとめますと

「赤道付近の地表の大気の流れは南向き(ハドレー循環)

「北極付近の地表の大気の流れは南向き
(極循環)

「中尉度付近の地表の大気の流れは北向き
(フェレル循環)

ということです。

とにかくこれだけ理解しておいて下さい。


この地球規模の3つの大きな循環と前章で勉強したコリオリの力が合わさって

我々の地球に吹く風を作っています。


(つづく…)

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プロフィール

永野裕之

Author:永野裕之
東京大学理学部地球惑星物理学科卒
現在:永野数学塾塾長

地球や太陽のことをきちんと知ることは、つきつめると「自分はどこから来たのか」という人類の究極の疑問に答えることに繋がります。
太陽系の成り立ちを知ると地球に生命が生まれたことがどれだけ奇跡的なことなのかがよく分かります。
そして、生命が海から陸にあがり、やがて知能をもつ人類への進化したことはさらに奇跡が何重にも重なった宇宙の神秘であることに気づくでしょう。
現在高校の理科で地学が化学・生物・物理にくらべるとややマイナーな科目になってしまっていることは大変残念なことだと思っています。
今後も、私なりに地学を通して微力ながら、地球や宇宙の素晴らしさを発信していきたいと思います。

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