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風~循環と錯覚の力が生み出す「追い風」~(その10) - 2011.08.12 Fri

Ⅴ 行きと帰りで飛行時間が違う理由

皆さんは海外旅行などの際に、

行きと帰りで飛行時間がかなり違うことに気づかれたでしょうか?

「同じ飛行機で飛んでいるはずなのに…時差のせいかな?」

などと考えてみて釈然としない思いになったことはありませんか?

実はこれにも「風」が大きく影響しています。

具体的に例をあげますね。

下の図は「日本航空国際線時刻表」4・5・6月版です。

表の一番下の欄に「区間所要時間」が記されていますが

成田→ニューヨークは12時間20分

ニューヨーク→成田は13時間40分

となっていて、実に1時間20分もの違いがあります。



理由は次の通りです。

日本の上空には西から東へ、強い偏西風(ジェット気流とも言います)が吹いています。

この風の速さは、国際線の飛行機が飛行する高度10,000メートルの上空では、

最大時速が360キロにもなります。

この強い風がニューヨークに向かう際には追い風となり

成田に帰る際には向かい風となるために、これだけの時間の差が生じるのです。

ちなみに、上にわざわざ「4・5・6月版」としましたのは

偏西風は季節によって吹く場所が変化するため飛行時間が変わってしまうからです。

ちなみに「1・2・3月版」では

成田→ニューヨークは12時間15分

ニューヨーク→成田は14時間

となっています。

季節ごとの時刻表で飛行時間の違いを見比べてみると、

日頃は気づくことの少ない偏西風の存在を実感できるかもしれませんね。




(つづく…)

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プロフィール

永野裕之

Author:永野裕之
東京大学理学部地球惑星物理学科卒
現在:永野数学塾塾長

地球や太陽のことをきちんと知ることは、つきつめると「自分はどこから来たのか」という人類の究極の疑問に答えることに繋がります。
太陽系の成り立ちを知ると地球に生命が生まれたことがどれだけ奇跡的なことなのかがよく分かります。
そして、生命が海から陸にあがり、やがて知能をもつ人類への進化したことはさらに奇跡が何重にも重なった宇宙の神秘であることに気づくでしょう。
現在高校の理科で地学が化学・生物・物理にくらべるとややマイナーな科目になってしまっていることは大変残念なことだと思っています。
今後も、私なりに地学を通して微力ながら、地球や宇宙の素晴らしさを発信していきたいと思います。

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